(1)フォニックスとは?→フォニックスは「英語の九九」です!
フォニックスは、英語の「音」と「つづり」を結びつけるために開発された英語指導法で、英国や米国でも教えられています。 ネイティブの子供が本の世界にスムーズに移行できるように、また移民の子供が英語を効率的に学習できるように、非常に体系的なプログラムになっているのが特徴です。 英語には44の「音」があるのに、アルファベットは26しかありません。 ですからアルファベットを組み合わせて様々な音を表現するわけですが、日本人には難しいことが多いのです。これを分かりやすく教えてくれるのがフォニックスです。 特に、米国のメキシコ系移民(母語はスペイン語)に英語を教える際に、フォニックスは大きな成果を上げています。スペイン語と日本語は(音の少なさという意味で)似ているため、日本人の英語習得にも大変効果があるのです。 |
では、実際にフォニックスを見てみましょう。
例えば、日本語の「あ」は「あいうえお」の「あ」ただ1つですが、英語で「あ」に近い音は少なくとも3つあります(似た音を含めれば8つにもなります)。 1. アップル(apple) の「あ」(”あ”と”え”の中間)→ apple, bad, cat のように "a"の文字で表現されることが多い。 2. アップ(up↑) の「あ」(短く強い ”あ”)→ up, ugly, cup のように "u"の文字で表現されることが多い。 3. オレンジ(orange) の「あ」(アメリカ英語では日本語の”あ” に近い)→ orange, box, soxのように "o" の文字で表現されることが多い。 |
(2)フォニックスを学ぶメリット
このように、文字がaかuか、それともoかによって、「あ」の発音はほぼ決まります。 つまり、フォニックス・ルールを習得することで、文字を見れば正しく発音できるだけでなく、発音を聞けばつづりを書くことができるようになります。ニュースで聞いた単語の意味が分からなくても、つづりが分かれば辞書で調べられますね。 ☆まとめ☆ 発音できると→書ける 発音できると→読める 発音できると→聴ける 算数の九九を覚えれば計算が飛躍的に速くなるように、フォニックスを習得すれば発音・リスニング・読み書きがびっくするくらい上達します。フォニックスは音と文字の「架け橋」、ぜひトライしてみて下さい。 |
(3)フォニックスの弱点
「例外のないルールはない」と言われますが、もちろんフォニックス・ルールにも例外があります。たとえば「go」という単語にフォニックス・ルールを適用しても、「ゴウ」と正しく読むことができません。 このような単語は「Tricky Words」とか「Sight Words」と呼ばれ、フォニックス・ルールを適用せずに別枠で発音とつづりを覚えます。 フォニックスを学習する際には、ルール適用外の単語は最初から別枠で覚えますので、学習者が混乱することはありません。安心してフォニックス学習を続けて下さい。 フォニックスに通じた指導者のもとで学習を続ければ、最終的にはフォニックス・ルールを意識しなくても英語を読める・書ける・話せるようになります。これがフォニックスのゴールなのです。 もちろん、そのためには毎日(5分で良いので)英語に接することが欠かせません。覚えたフォニックスが宝の持ち腐れにならないよう、しっかり使ってあげましょう。 語学はスポーツやガーデニングと同じ。毎日練習・手入れをすれば、必ず花が咲きます。 |